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OSUからRasel Ahmed助教授が来筑。UT芸術系の李昇姫准教授と対談

2025年2月28日、オハイオ州立大学のRasel Ahmed先生が来筑されました。彼はバングラデシュ出身の助教授で、演劇・映画・メディア芸術学科に所属し、ドキュメンタリー映画の制作と研究に取り組んでいます。

 

今回が初の来日となるRasel先生。松島先生からバングラデシュ出身の学生を紹介された先生は、週末、つくば観光を楽しんだようです。3日の夜は学生団体の映画研究部の課外活動に参加。翌4日は芸術系の李先生との対談をこなし、5日の午前にISSプログラムリーダー松島先生との面会を終えると、その足で京都へ旅立ちました。

 

嵐のように過ぎ去ったRasel先生。筑波大に知っている先生はなく、オフシーズンの今、キャンパスには学生もいません。東京や京都など、日本には訪れるべき場所がたくさんあったのでしょう。

 

そんな自由人のRasel先生ですが、今回の来筑では、李先生との対談を撮影するという大仕事がありました。当日はそこに李先生の学生2人が加わり、4人の対談をカメラがとらえました。当初予定していた1時間を大きく上回る、2時間という充実した時間が流れました。

 

今回の対談に参加した4人には共通した特徴がありました。4人とも、異国に暮らす外国人です。好むと好まざるとにかかわらず、マイノリティとして生きる宿命をおっています。

 

Rasel先生 バングラディシュ人。強制移動を体験し、米国へ移住

Lee先生 韓国人。日本で暮らして35年

Alvin学生 中国人とインドネシア人のハーフ。現在は研究生

Max学生 日本人とオランダ人のハーフ。博士後期2年生

 

対談は、学生からの質問に、先生が答える形式で進められました。テーマはインクルーシブな社会について。一般的なInclusiveの考え方に加え、Rasel先生の専門分野(映画)における表現や考え方、李先生の専門分野であるデザインと人間の感性的な側面からの概念が語られます。

 

驚くべきは学生たちの知性と人間性。物静かで控えめで、完璧な英語を話すだけでなく、話を聞く姿勢、質問するタイミングなど、自分の役割をわきまえています。筑波大は人材の宝庫であると、あらためて感じた次第です。

 

 

Rasel先生の生い立ちや体験は、多様性のある4人のなかでも際立っていました。先生は政治的な理由で、祖国バングラディシュへ帰ることはできません。自身を主人公にした映画を撮っていますが、自分では演じず、本人役を務める俳優を使っています。それがどんな人生なのか、日本で、マジョリティとして生きる人間には、わかりません。

 

4人の対談ビデオは、ISSホームページへ掲載する予定です。

楽しみに待っていてください。